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TruHeightの成長シェイクは身長を伸ばすか 32人の試験とFTCの最終命令を読む

文=minato資料確認日:
TruHeightの小規模試験、6か月の身長差、FTCの表示判断が異なる範囲を示す模式図
編集部制作の模式図。0.281cmは原著の調整モデルによる推定であり、個人の成長予測や成人身長の保証ではない。

TruHeight Growth Protein Shakeの6か月の32人試験は、子どもの身長を確実に伸ばすという表示の根拠になるか。

今回たどる範囲TruHeight Growth Protein Shakeについて、2023年の単施設試験報告、2025年刊の原著、2026年7月の米FTC最終命令と2026年9月23日の販売ページを扱う。FTC命令はブランド全体の対象商品に及ぶが、試験対象は成長シェイク1製品であり、グミ・カプセルや現行の植物性・ホエイ全バリエーションの効果へ流用しない。最終成人身長や個人の成長予測は判定しない。

2.94cmと2.23cm、その数字が生まれた場所

TruHeightの成長シェイクを扱った原著の要旨は、6か月間に摂取群の平均身長が2.94cm、通常の食事を続けた群が2.23cm伸びたと報告する。32人、4~17歳を対象とした単施設の予備的研究だ。摂取群だけで身長の標準偏差スコアが有意に変化したというp=0.0028も書かれている。しかし、成長期の子どもは両群とも自然に伸びる。群内で開始時より伸びたという統計量は、サプリが対照群より確実に伸ばしたという比較結果と同じではない。

原著の調整モデルが示す上乗せは0.281cm。平均値の単純な差0.71cmとも異なる。いずれも6か月の結果で、成人したときの最終身長は測っていない。本文の数字を子ども一人の将来身長や『数インチ伸びる』という広告へ変換するには、もっと長く、対象をそろえた追試が必要になる。

試験した飲み方と、いまのラベルが違う

2023年8月11日付のスポンサー向け報告は、成長シェイクを2スクープ、週5日、6か月飲む計画を記す。登録は32人で、完了者は28人。対照群は通常の食事を続け、同じ味の偽シェイクを飲んだわけではない。食事と睡眠の変化を完全にはそろえられず、子どもや保護者もどちらを飲んでいるか分かる設計だ。試験参加者の評価が行われた事実と、差を製品だけに帰せるかは分ける必要がある。

2026年9月の販売ページでは、4~10歳は半スクープ、11歳以上は1スクープを毎日使うと案内する。ホエイと植物性の選択肢もある。製品名が同じでも、試験の2スクープ・週5日という条件や当時の配合が現在の年齢別用法、全バリエーションと一致するとは示されていない。原著の数値を現行の全商品やグミ、カプセルへ一律に移せない理由はここにある。

『有意』という語を、報告書の数値へ戻す

スポンサー向けの試験報告には、尿中コラーゲンXが摂取群で高かったとし、p=0.1606と同じ文で『有意』と呼ぶ箇所がある。通常の5%基準では0.1606は有意差ではない。後の原著要旨とTruHeight自身の研究紹介は、コラーゲンXを含む二次評価項目に統計学的な有意差はなかったと説明する。生体指標の数値が動いたという話と、骨が伸びて成人身長が増えるという話の間にも距離がある。

集計の違いも残る。報告書の6か月表では摂取群3.31cm、対照群2.23cm、原著要旨では2.94cm対2.23cmである。解析対象や計算法の詳細を突き合わせなければ、数字の違いの原因は断定できない。どちらか一方だけを選び、商品の確定した上乗せ量として見せるのは避けたい。

FTCが禁じたのは、裏付けを超える身長広告

米FTCの2026年4月の申立書は、TruHeightブランドの対象商品について『子どもや十代の身長を伸ばす』『臨床試験で証明した』という広告表示を問題にした。同局は、主に依拠された単一の会社支援研究は人数と期間が足りず、無作為化の実施、睡眠・食事の管理にも問題があり、しかも一つの製品しか調べていないと評価した。これは当局の申立てに記された評価で、原著の全数値が存在しないという意味ではない。

7月の最終命令は、十分な科学的根拠を持たずに身長増加や臨床試験による証明を表示することを禁じた。命令の対象はブランドのサプリ・食品に広がるが、2023年の試験自体はシェイクだけだ。FTCは従業員作成や報酬付きの好意的レビューも申立てで取り上げ、最終命令でレビューの虚偽表示や特定の感想を条件にした購入を禁止した。読者が見る商品レビューを効果の証拠とみなす前に、誰の体験かという別の問いが生じる。

栄養を補うことと、成長曲線を変えること

たんぱく質やビタミンを含む食品が、足りない栄養を補う選択肢になることはある。一方、現行ラベルの栄養素の存在から、特定の子どもの成長速度や成人身長を上げると結論できない。米小児科学会は一度の身長だけで判断せず、成長曲線上の推移を追い、伸びが鈍い・パーセンタイルをまたいで下がる場合は小児科で評価するよう説明する。栄養だけでなく、体質、思春期の時期、疾患などを含めて見るためだ。

今回の資料から言えるのは、シェイクの小規模な6か月試験に差の可能性が示される一方、それを確実な身長増加へ広げる表示はFTCが根拠不足として制限した、というところまでだ。現行の用量と配合に合う、偽シェイク対照、十分な人数、食事・睡眠の把握、事前登録した群間差と安全性、長期の成長経過を示す追試が公開されれば、判断の精度は上がる。

資料で残った境界

  • 資料で確認シェイクの小規模試験

    TruHeight Growth Protein Shakeを対象に6か月で群間の身長差を調べた試験があるか。

  • 根拠を確認できず確実な身長増加の立証

    この単一試験だけで、現行商品の使用が子どもの身長を確実に高くすると言えるか。

  • 資料で確認FTCによる表示制限

    FTCは十分な根拠を伴わない子どもの身長増加・臨床証明表示を制限したか。

参照資料と更新日

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