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未知の輪郭

独自検証科学・健康関連商品

NOMOREの「200cc吸収」は漏れない量か 措置命令と試験方法を読み解く

文=minato資料確認日:
吸収量200ccという広告の数字と、着用時に外へ漏れない量は別の問いであることを示す模式図
編集部制作の模式図。200ccは過去の広告表示であり、NOMOREの実測値や現在の性能を示す図ではない。

NOMOREの広告にある「200cc吸収」は、着用時に200ccまで外側へ漏れないことを意味するのか。

今回たどる範囲株式会社boxXXXと株式会社Beiiiiiが販売した男性用吸水下着NOMOREについて、消費者庁が対象とした2025年の表示と2026年4月の措置命令を扱う。2023年のボーケンの一般的な試験方法、2016年の国民生活センターの別銘柄試験は測定上の背景に限る。現行ロットの漏れ量、全サイズ、個人の着用結果は判定しない。

「200cc」の隣に置かれた、衣服の尿じみゼロ

消費者庁が保存した広告の記録には、男性用吸水下着NOMOREの画像とともに「吸収量200cc」、4層構造、衣服の尿じみをゼロにするような表現が並ぶ。boxXXXの自社サイトでは2025年3月8~13日など、Beiiiiiの楽天市場内サイトでは同年3月26日~4月21日などに掲載された。広告は吸水量という材料の数字だけを静かに示していたわけではない。着用者が外へ漏らさず日常を過ごせるという期待へ、数字を結びつけていた。

消費者庁は一連の表示を、200ccまたは100ccまで失禁しても下着の外側へ尿が漏れない効果を示すものと読んだ。ここがこの記事の対象である。臭いの軽減や快適さの一般論を一括判定するのではなく、表示された容量と着用中の漏れ防止が同じなのかを追う。

布が吸う量と、縫い目から出ない量は別の問い

広告には2023年11月にボーケン品質評価機構が実施した「吸水・堅牢度検査結果」への言及もある。だが、検査機関の名前があるだけでは、実際に着用した状態での漏れまで測ったかは分からない。公開されているボーケンの別文書は、製品状態のパッドを試すか部分だけを試すか、水か人工尿か、滴下後すぐか待つか、荷重をかけるかで結果の意味が変わると説明する。

同文書の例では液体を5mlずつ加え、裏側への染み出しとその場所を調べる。着用時の主張なら、前方や側面の縫い目、座った際の圧迫、洗濯後の性能まで条件を固定した試験が欲しい。ボーケンの一般説明はNOMOREの試験報告書ではないため、これを使って同商品の合格・不合格を推定することもできない。

別銘柄の試験は、数字の読み違いを示す

国民生活センターは2016年、失禁対策用下着12銘柄を人体腰部の模型にはかせ、着色した人工尿を5mlずつ加えて5分待つ試験を繰り返した。新品を立たせた条件では、吸収量表示がある9銘柄のうち、各5枚すべてが表示量まで外側に染み出さなかった銘柄は一つもない。さらに一部銘柄は、座位や繰り返し洗濯でより少ない量から染み出す傾向を示した。

この報告が教えるのは、表示容量だけでは着用状態の漏れを予測しきれないという測定上の問題だ。2016年の対象にNOMOREはなく、200ccという同商品の数字を検証した研究でもない。別銘柄で起きた漏れをNOMOREでも起きたと断定するのは、広告の数字を無条件で信じるのと同じ飛躍になる。

措置命令が決めたこと、決めていないこと

消費者庁は景品表示法に基づき、表示を裏付ける合理的な根拠を2社へ求めた。boxXXXは資料を出したが、庁は当該表示を支える資料とは認めなかった。Beiiiiiは指定期間内に資料を出さなかった。2026年4月27日と28日の措置命令は、問題となった表示の周知、再発防止、根拠のない同様の表示をしないことなどを命じている。

これは「NOMOREは何ccで必ず漏れる」という実験報告ではない。公表文書に、製品を着用した試験での漏れ始めの分布は示されていない。また、boxXXXが出した資料がまったく無かったわけでもない。存在した資料と、広告が消費者へ伝えた効果を裏付ける資料であることの間に、行政判断上の隔たりがあった。

選ぶ前に確かめたいのは、実際の使用条件

現時点で確かなのは、2025年のNOMORE広告から読み取れる「100cc・200ccまで外へ漏れない」という効果について、消費者庁が合理的な裏付けを認めなかったことだ。現在売られる個体が何ccまで耐えるかを示す公開データは、この行政文書にはない。判断を更新するには、対象の型・サイズ・製造時期を明示し、人工尿の投入位置と速度、姿勢、荷重、洗濯回数、複数個体の結果を示す試験が必要になる。

吸水下着には、洗って使えることや通常の下着に近い見た目という選択理由がある。一方、尿失禁を治す商品ではない。英国NHSも吸水パンツやパッドを、治療を待つ間などに症状を管理する用品と位置づける。容量表示だけで受診を先延ばしにせず、症状や生活への影響に合わせて対策を選びたい。

資料で残った境界

  • 資料で確認広告は着用時の無漏れ効果を示したか

    対象広告はNOMOREを着用して100ccまたは200ccまで失禁しても外へ漏れないと受け取れるか。

  • 根拠を確認できずその効果の合理的裏付けはあったか

    措置命令時、2社は対象表示を裏付ける合理的資料を示したか。

  • 決められなかった実際にNOMOREが何ccで漏れるか

    公開された資料から、着用したNOMOREの漏れ始める量を特定できるか。

参照資料と更新日

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