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未知の輪郭

監視社会 / 日本

AIが標的を選ぶ時代 ウクライナの自律型ドローンと自衛隊の無人アセット。

文=佐々木 玲

兵士が双眼鏡で敵を探し、司令官が攻撃の判断を下す。戦場のそんな光景は終わりつつある、と動画は切り出します。いま進んでいるのは、AIが膨大な映像や通信データを随時分析し、標的を識別する形への移行です。

特にウクライナでは、AIを搭載した自律型ドローンの開発が急速に進んでいます。一部では人間の最終判断を経ずに標的を攻撃する実証実験が行われたとも報じられました。

人が「データ」に変えられていく

識別の仕組みはこうです。戦場で撮影された映像、SNSに公開されている写真、過去の軍歴、位置情報、通信履歴。それらをAIが照合して、特定の人物を割り出す。ウクライナでは顔認証システムを使って兵士の身元確認や遺体の識別が行われていると報じられており、これはすでに動いている技術です。

ただ、精度を上げようとするほど必要な情報は増えていきます。顔画像だけでは足りず、年齢、所属部隊、交友関係、移動履歴、SNSの投稿内容まで学習させることになる。兵士1人が、データ化された存在になるわけです。そしてその情報は、巨大なデータベースへ蓄積されていきます。

ここから懸念が出てきます。標的として登録された人物の顔写真や個人データが、サイバー攻撃や情報漏洩によって第三者へ流出したらどうなるか。敵対勢力がそれを手に入れれば、本人だけでなく家族や関係者まで監視の対象になりうる。スマートフォンの中も、SNSのアカウントも、クラウド上の個人情報も、新しい戦場になりつつある——動画はそう表現します。

日本側でも進む無人化

日本の防衛省と自衛隊も、ドローンを含む無人装備を「無人アセット防衛能力」と位置づけ、防衛力強化の中核の一つとして導入を加速させています。狙いは、隊員の危険を減らしながら情報収集、警戒監視、偵察、輸送、戦闘支援を効率的に行うこと。AIと組み合わせて複数の無人機を同時に運用し、広い範囲を継続して監視する能力の強化が重視されており、人手不足への対応という側面もあります。

2026年4月には、陸上自衛隊が無人装備を扱う部署を新設しました。運用構想の策定、研究開発、機体の調達や整備を担当し、将来的にはドローンを主体とした部隊の創設も視野に入れているといいます。守る側の動きもあり、防衛装備庁は2026年7月に、駐屯地や基地を敵のドローンから守るための実証実験を計画し、民間企業から広く技術提案を募集しています。

流出した情報が、標的になる

動画が最後に接続するのが、私たちの個人情報です。他国へマイナンバーのような情報が流出した場合、それが標的の選定に悪用され、狙われることも十分考えられる、と。

絵空事ではありません。2026年には、自治体業務の委託先がランサムウェア攻撃を受け、50万件を超える個人情報が流出した可能性のある事案が報告されました。流出した可能性のある情報には、氏名や住所、保険情報に加え、職員の給与情報やマイナンバーも含まれていたとされます。

こうした流出事故が度々起きているのは事実です。人物を割り出す技術と、漏れていく個人情報。この二つが同じ時代に並んでいるということは、知らないうちに自分の顔や情報が使われているかもしれない——動画はそう締めくくります。監視社会という言葉が、戦場の話とつながってくるわけです。

なお動画の終盤では話題が切り替わり、政治家や大企業の経営者にはお抱えの霊能者がいるという話をよく聞く、という伝聞が語られます。

視聴者の反応

  • ひなたくんの件取り上げて!

    高評価 147

  • 情報を一元管理するための法律は通すくせに情報漏洩を防ぐ法律は全然ないのが怖い

    高評価 111

  • ひなたくんの件、とりあげてください!

    高評価 65

  • 個人情報は商品となり怖い。

    高評価 53

  • 折角のテクノロジーを世界を良くする方に使わずに自ら地獄を作りに行くという人間の愚かさよ

    高評価 44

背景

言葉を補っておきます。自律型ドローンは、飛行や標的の識別をどこまで機械に任せるかで段階が分かれ、人間が最後に引き金の判断をする形と、その判断まで機械に委ねる形があります。動画で問題にされていたのは後者です。無人アセット防衛能力は、無人機や無人車両などを防衛力の一部として体系的に整備するという考え方で、日本では防衛力強化の柱の一つに挙げられています。顔認証は、顔の特徴を数値に置き換えて照合する技術で、身元確認にも標的の特定にも同じ仕組みが使えます。なお、この回で挙げられる報道や発表は出典が示されないので、実際の制度や計画を確認するときは防衛省などの公表資料に当たってください。

動画を見る

ウマヅラビデオ

動画の見どころ

  1. 兵士が双眼鏡で敵を探し司令官が判断を下す時代は終わりつつあり、AIが映像や通信データを分析して標的を識別する形へ移行していると説明される。

  2. ウクライナで自律型ドローンの開発が急速に進み、一部では人間の最終判断を経ずに標的を攻撃する実証実験が行われたと報じられていると紹介される。

  3. 戦場の映像やSNSの写真、軍歴、位置情報、通信履歴をAIが照合して人物を割り出す仕組みが構築されつつあり、顔認証で兵士の身元確認や遺体識別も行われているとされる。

  4. 識別の精度を上げるには年齢や所属部隊、交友関係、移動履歴、SNSの投稿まで学習が要るため兵士1人がデータ化され、流出すれば家族や関係者まで監視対象になりうると語られる。

  5. 防衛省と自衛隊がドローンを含む無人装備を「無人アセット防衛能力」と位置づけ、隊員の危険を減らしながら偵察や輸送を効率化する狙いで導入を加速させていると説明される。

  6. 2026年4月に陸上自衛隊が無人装備を扱う部署を新設し、将来的にはドローンを主体とした部隊の創設も視野に入れていると紹介される。

  7. 防衛装備庁が2026年7月に、駐屯地や基地を敵のドローンから守るための実証実験を計画し、民間企業から技術提案を募っていると紹介される。

  8. 2026年に自治体業務の委託先がランサムウェア攻撃を受け、氏名や住所、マイナンバーを含む50万件超の個人情報が流出した可能性のある事案が報告されたと紹介される。

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