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未知の輪郭

検証・反証系の動画 / 科学・健康関連商品

マイナスイオン家電を広めたのは誰か 『あるある大事典』と効能表示の境界

文=佐々木 玲

マイナスイオンをうたうドライヤーは、何を出し、それは体や髪にどう働くのでしょうか。商品箱の言葉と店頭で示される測定値を入口に、四国めたんとずんだもんの掛け合いは、素朴な疑問を一段ずつほどいていきます。

測定できる数と健康効果のあいだ

最初の壁は、言葉そのものの定義です。放電で生じるもの、水を砕いたときに生じるもの、石から出るとされるものまで、由来の違う対象が「マイナスイオン」の名で一括されている――というのが動画の整理です。店頭の機器で空気中のイオン数を測れても、その数字が人体への作用を示すとは限りません。「測れる」と「効く」は別の話という線引きが、ここで最初の判断基準になります。

メーカーの外側で膨らんだブーム

次の反転は、メーカー側の説明です。動画によると、ブームのさなかだった2002年、シャープは健康効果があるか分からないとし、松下電器もイオンの発生と健康上の効能を分け、科学的に実証されていない効果はうたわない姿勢を示していました。では、誰が健康イメージを広げたのか。視線は、1999年から2002年ごろに特集を重ねた健康情報番組『発掘!あるある大事典』へ向かいます。

番組の影響で、2002年の家電売り場は関連商品で埋め尽くされたと語られます。ところが同番組は2007年、納豆特集で未実施の検査数値や無関係な写真、作られたコメントが使われたとされる問題に直面しました。過去にも複数の類似例が見つかったという説明を重ね、動画は、科学らしい見せ方が商品イメージを押し上げた過程へ目を向けます。

体感を否定せず、原因を分ける

ここで話は「全部が偽物」という結論には進みません。森で血圧や脈拍が落ち着くことや、ドライヤーで髪がまとまったと感じること自体は否定せず、その原因をイオン数から切り離します。森林の香り、景色や音、ドライヤーの風量、温度、水分の飛ばし方など、別の要因で説明できるという見立てです。放電式の機器ではオゾンなどの副産物も生じ、髪への作用がそちらに由来する可能性も紹介されます。

最後に残るのは、名称ではなく測定できる性能を見るという選び方です。風の強さや乾く速さを比べ、「何が出て、どう効くのか」を尋ねる。動画は、健康や美容を思わせる四文字より、商品の中身へお金を払おうと結びます。

視聴者の反応

  • プラズマクラスターは発毛効果があるかもしれないって論文だしてた気はする

  • マイナスイオンが出て体にいいと、店員が勧めてきたので、それなら化学式教えてと聞いて、店員を黙らせた事があります。 ちなみに薬剤師です。

  • 車体やら色々なヶ所にアルミテープ貼ると燃費向上!!ってのと同じ😅 ちょびっとの効果はあるものの中期でみても乗るだけ損が判明したわな(;´∀`) で、あれの副産物は水垢汚れがつきにくさよ😉👍️

  • 効いてるよ、全然効果あるから

この説をたどる

商品箱の四文字から始まった疑問は、店頭の測定値、メーカーの回答、テレビ番組の影響へ伸びていきます。そこで浮かぶのは、存在を測れることと、健康上の働きを確かめることの間にある距離です。動画が最後に置くのは、「マイナスイオン」という名前ではなく、風量や乾燥速度のように比べられる中身から商品を選ぶ、という視点です。

動画を見る

なんでもゆる検証ラボ

動画の見どころ

  1. 放電、水の破砕、石に由来するものまで、異なる対象が「マイナスイオン」の名で一括され、厳密な科学的定義がないと整理される。

  2. 店頭で空気中のイオン数を測定できても、数が多いことと人体への健康効果は別であり、「測れる」と「効く」を分ける必要があると説く。

  3. 2002年当時、シャープと松下電器はイオンの発生と健康効果を分け、科学的に実証されていない効能はうたわない姿勢だったと紹介される。

  4. 1999〜2002年に『発掘!あるある大事典』が特集を重ねてブームを広げ、同番組は2007年の納豆特集で捏造問題に直面したという経緯をたどる。

  5. 森林浴による血圧や脈拍、ストレスの変化は認めながら、その効果を空気中のイオン数へ結びつける証拠はないという区別が示される。

  6. 髪のまとまりは風量や温度、水分の飛ばし方で説明でき、放電式ではオゾンなどの副産物が作用している可能性もあると紹介される。

  7. 「マイナスイオン」の名称ではなく、風量や乾燥速度など実際に測れる性能を比べ、「何が出て、どう効くのか」を確かめて選ぶよう結論づける。

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