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CIA中庭の暗号クリプトス 30年以上解けない97文字と、作者が小出しにする手がかり

CIA本部に置かれた暗号彫刻
1961年に完成した CIA 本部は、1980年代後半の大改修で中庭を得た。その装飾を任されたのが地元の芸術家ジム・サンボーンで、1990年初頭にワシントン・ポストの記事で初めて世に出たとき、背景には無数の文字が打ち抜かれた金属板が写っていた。同年6月下旬、4枚の銅板が中庭の北西の角に設置される。CIA の暗号解析官たちは解読者を決める賭けまで組んだが、暗号は破られなかった。
文字は全部で1736字あり、左半分が暗号文、右半分がヴィジュネル表にあたる。表が併置されていること自体が解き方の手がかりで、実際サンボーンも初期のインタビューで、上半分はヴィジュネル暗号で符号化したと明かしていた。ただしこの方式は、鍵となるキーワードを知らなければ格段に難しくなる。そしてそれを知るのは、彫刻を作った本人だけだった。
10年の沈黙を破った解読
沈黙は10年ほど続いた。動いたのは1999年6月8日、南カリフォルニアの計算機科学者ジム・ギロリーが突破を発表したときである。アメリカ暗号協会の元会長で、自作ソフトと当時最高性能の Intel Pentium II を使い、わずか4日で K1・K2・K3 を解いた。ところが CIA 広報室に連絡すると、技術分析官デイビッド・スタインが紙と鉛筆だけで1998年初めに先に解いていたと知らされる。さらにギロリーの発表を機に、NSA の職員が1992年の時点で同じ3区画を密かに解いていたことも明らかになった。経緯は後年の機密解除文書に残っている。
NSA チームの手口はこうだ。まず暗号文の各行の文字を数え、15行目から25行目の頻度分布が英語に酷似していることを見つける。つまり中央は文字を並べ替えただけの転置暗号、その上下は文字を置き換える換字暗号だろうと当たりを付けた。次に、同じ文字列が8文字の間隔で繰り返される点から鍵の長さを8と推定し、暗号文を8文字ずつに区切る。こうすると8文字おきの文字は必ず同じ鍵文字で符号化されているので、頻度分析が使えるようになる。文字を数えて組み合わせを試すうち、末尾付近に SIX・FIVE・SEVEN が浮かび上がった。このとき同時に、暗号文が想定の3区画ではなく4区画であることも判明している。
平文に残された綴りの誤り
出てきた平文には、区画ごとにちょうど1つずつ綴りの誤りが混じっていた。K2 は彫刻の数メートル南を指す座標を示しており、そこに埋められていたのは米地質調査所製の青銅の測地基準点で、2013年には既に撤去されていたという。K3 は1923年の書籍『The Tomb of Tut-Ankh-Amen』からの抜粋で、ハワード・カーターがツタンカーメン王墓に行き当たる場面である。
もっとも、これらは本来意図された解き方では解かれていない。NSA もスタインもギロリーも、キーワードを見つけたのではなく暗号の弱点を突いた——鍵を探さずに車の配線を直結したようなものだ、というのが本編の見立てである。K2 の鍵 ABSCISSA は、西側入口のモールス信号から取れる ALLYINVI を鍵にすると現れる。ただしそれが成り立つのは同じ並びが平文にもあるからで、なぜその並びを選ぶべきだったのかは分からない。K1 の鍵 PALIMPSEST に至っては、見つけ方の定説すら無い。
未解読の97文字と作者の手がかり
残る K4 は97文字。サンボーンは2010年に BERLIN、2014年に CLOCK、2020年に NORTHEAST、その後 EAST と手がかりを小出しにしてきたが、平文の4分の1近くが明かされた今も解けていない。作者は暗号学者ではなく、自分は数学が苦手だと公言している。K2 の脱字を16年気づかなかった前歴があるため、K4 にも見落とした誤りがある可能性は排除できない。解そのものは、彼の死後に競売にかけられるか誰かへ引き継がれることになっている。
視聴者の反応
「Brothers, we have been reunited once again.」
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「Lemmino just makes consistent “drop everything and watch this now” videos」
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「Crazy how i watched 47 minutes of numbers and letters and didnt get bored for a second lol Lemmino is the goat」
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「Yeah my buddy Eric solved it already but he doesn't “want to brag about it” he's a very humble and chill guy」
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「K4 says “If you enjoyed my puzzle, like and subscribe”」
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背景
この話を追ううえで効いてくるのが、暗号の2つの型の違いである。換字暗号は文字そのものを別の文字に置き換え、転置暗号は文字を並べ替えるだけで中身は変えない。だから転置暗号では、E が多く Z が少ないといった元の言語の癖がそのまま残る。頻度分析が刺さるのはこちらで、換字暗号にはほとんど効かない。NSA が最初にやった「行ごとに文字を数える」作業は、どの区画がどちらの型かを見分けるためのものだった。
もう一つは、「解けた」と「意図どおりに解けた」が別物だという点だ。K1 から K3 は、鍵を突き止めて復号されたのではなく、暗号側の癖を突いて平文が引き出された。鍵の ABSCISSA や PALIMPSEST は、平文が手に入ったあとで逆算されている。K4 が30年以上残っているのは、その「癖を突く」余地が見つかっていないから、という読み方もできる。
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LEMMiNO
動画の見どころ
1990年6月に設置された4枚の銅板には1736字が打ち抜かれ、左半分が暗号文、右半分がヴィジュネル表にあたる。CIAの暗号解析官は解読者を決める賭けまで組んだが、暗号は破られなかった
ヴィジュネル暗号はキーワードを知らなければ格段に難しくなる。1990年代初頭に挑んだ者たちは、それを知るのが作者ジム・サンボーンただ一人という状況に置かれていたと説明される
1999年6月8日、ジム・ギロリーがPentium IIと自作ソフトを使い4日でK1〜K3を解いたと発表。だがCIAの技術分析官デイビッド・スタインが紙と鉛筆だけで1998年初めに先に解いていた
NSAは1992年の時点で同じ3区画を密かに解いていた。前段の研究会はK4について「この部分は解読不能かもしれない」と機密解除文書に書き残していたと引用される
各行の文字を数えたところ15〜25行目の頻度分布が英語に酷似していた。そこから中央部は転置暗号、その上下は換字暗号だろうと当たりを付けたのが突破口になったと整理される
3つの平文にはちょうど1つずつ綴りの誤りがある。K2は彫刻の数メートル南の座標を示し、そこに埋められていたのは米地質調査所製の測地基準点だったという
解かれた3区画はいずれも鍵を突き止めた結果ではなく、暗号の弱点を突いたもの。鍵を探さずに車の配線を直結したようなものだ、と本編は位置づける
サンボーンは2010年にBERLIN、2014年にCLOCK、2020年にNORTHEAST、その後EASTと手がかりを小出しにしてきた。平文の4分の1近くが明かされた今も、K4は解けていない
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