都市伝説 / 日本語
80年ごとに世界は壊れる 『第四の転換期』と、冬を「使う」と考えた男。

「80年ごとに世界は壊れる。そして、その壊れ方にはパターンがある」。動画はそう切り出す。1冊の本が今起きていることをすべて予言していたのかもしれない。そしてその本を読んだ1人の男が、いま世界そのものを形づくっているのかもしれない——エプスタイン文書の公開も、パンデミックも、ウクライナやイランの戦争も、1本の糸でつながっているのではないか、というのが今回の問いである。
消えた科学者たちのリスト
本題の前に置かれるのが、いくつかの失踪と死だ。ライト・パターソン空軍基地の元司令官ウィリアム・マッキャスランドが2月27日から行方不明になっている。ロズウェルで回収された残骸が運び込まれたとされる基地であり、彼はペンタゴンのフェーズ5計画も統括していた。失踪時、携帯電話とウェアラブル機器は家に残されていた。動画では妻が警察へかけた通報の音声も流れる。夫は見つからないつもりで出て行ったのだと思う、車も自転車もガレージにある、と彼女は話している。
2024年以降、第一線の研究者や科学者12人が不審な状況で死亡または失踪している、と動画は述べる。NASAの上級研究者が自宅で死亡し、ロスアラモスの元核研究者が失踪、NASAの航空宇宙エンジニアはハイキング中に消えた。同行者の10メートル後ろで手を振っていたのに、振り返ると居なかったという。彼女が扱っていたロケットエンジン用の素材モンダロイの計画を統括していたのが、先の元司令官だった。 4日後には別のロスアラモス職員が消え、MIT核融合科学センターの所長が自宅で射殺された。全員が先進推進系か未知の素材、あるいは航空宇宙技術に関わっていた、というのが動画の整理である。
リストに加えられた1人が、反重力技術を研究していたエイミー・エスクリッジだ。生前の彼女は「自殺したという報道を見ても、それは絶対に違う」と語る映像を残している。その1ヶ月後、頭部の銃創で死亡しているのが見つかった。UFO研究者のニック・ポープとデイヴィッド・ウィルコックも死亡した、と動画は続ける。数年で12人の科学者なら偶然かもしれないが、発信者まで次々と、というのが引っかかる、と。
ポケモンGOが集めていたもの
話は2016年へ飛ぶ。ポケモンGOは約80日で5億ダウンロードを記録した。その背後にいたのがジョン・ハンケである。彼が2001年に共同創業した地図会社キーホールは、衛星画像と航空写真から地球全体を3Dで描き、宇宙から街路まで連続してズームできるソフトを作った。2003年2月、キーホールはCIAのベンチャーキャピタル部門イン・キュー・テルから出資を受けている。イラク戦争が始まる1ヶ月前だった。 数ヶ月後には米軍がイラクで軍事施設の変化を追跡するのに使い、イン・キュー・テル自身がプレスリリースでそれを認めている。翌年グーグルがキーホールを買収し、それがグーグルアースになった。同じチームでハンケがグーグル内に作った部門が、のちに分社するナイアンティックである。
2026年3月のMITテクノロジーレビューによれば、ナイアンティックのゲームのプレイヤーは10年間で合計300億枚の画像を撮影していた。あらゆる角度、天候、時間帯で撮られた、ストリートビューの車では覆いきれない歩行者目線のデータベース。プレイヤーはゲーム内の報酬と引き換えに、それを自ら提供していたことになる。同社はその画像でAIを訓練し、GPSなしでカメラだけからセンチメートル単位で位置を割り出す技術を作り、いまは自律配送ロボットの目として使っている。2025年にゲーム部門を35億ドルで売却したときも、地図データだけは別会社に分けて手元に残した。「無料」ほど怖いものはない、と話者はまとめる。
春・夏・秋、そして冬
ここからが本題だ。1997年に歴史家ウィリアム・ストラウスとニール・ハウが出した『第四の転換期』は、人類の歴史は80年から100年ごとの周期で動き、春・夏・秋・冬を繰り返すと説く。春は危機のあとの安定と成長で、1946年から64年の戦後アメリカ。夏は精神的な覚醒と反抗の時代で、ベトナム反戦とカウンターカルチャーの60〜70年代。秋は制度が弱まり個人主義が頂点に達する80年代から2000年代——ウォール街の強欲、新自由主義、広がる格差。
そして冬が第四の転換期にあたる。革命、内戦、疫病、世界大戦級の激動。500年分をたどると、1770年代の独立戦争、1860年代の南北戦争、1930〜40年代の大恐慌と第二次大戦が同じ形をしている。冬の直前の秋には必ず、格差が広がり、エリートが暴走し、民衆の怒りが限界に達する。 そして冬には強い指導者が現れる。ワシントン、リンカーン、ルーズベルト。冬の指導者は春の設計者でもある。いまの周期は1945年に始まった。80年を足せば2020年代——2008年の金融危機に始まり、パンデミック、ウクライナ、そしてイラン。2023年、ハウ自身が「古いアメリカ共和国は崩壊しつつあり、まだ認識できない新しい共和国が建設されている」と付け加えている。
冬を「使う」という発想
問題はここからだ。本は広く読まれ、影響力のある人々の手にも渡った。そして何人かは、怖いと思う代わりに「これは使える」と考えた。トランプの元首席戦略官スティーブ・バノンにとって、この本はほとんど聖典だという。机を見たジャーナリストは、付箋だらけだったと語った。2009年、彼は金融危機のドキュメンタリーを作る過程でハウと歴史家デイヴィッド・カイザーに取材している。カイザーいわく「バノンはこの危機の理論を深く理解しており、それを政治目的にどう使えるかを長く考えていた」。どうせ崩れるなら次の世界を自分たちで作ろう——動画はそう読む。理論には危機のときに現れて社会を導く年配の預言者「グレイ・チャンピオン」という概念もあり、バノンはそれになろうとしている、と。2021年の議事堂襲撃の前日、彼は自分のポッドキャストで「明日、すべてが変わる」と語っていた。2024年に有罪となり収監されたが、思想はトランプ運動の中に残ったままだ、というのが動画の見立てである。
冬が終わりでないなら、次に来るのは春である。だとすれば最も重要な問いは、その春を誰が設計するのかだ。ピーター・ティールのデジタル国家構想、宇宙にAIデータセンターを置くというスターリンクV3、トランプのフリーダム・シティ計画。動画はさらに、2001年9月10日にラムズフェルド国防長官が2兆3000億ドルの行方を説明できないと述べた会見と、そこから政府記録を追った元政府高官の調査を引く。使い道の記録が無い金額は21兆ドルにのぼり、地下都市に消えたのではないか、というのがその人物の仮説である。テック企業のエリートか、政治家か、それとも我々か。動画はその問いを置いて終わる。
視聴者の反応
「映画のオープニングかと思った…」
高評価 2,191
「ナオキマンもう都市伝説じゃなく、リアルを届けてくれてるよね。」
高評価 1,371
「オープニング凄すぎて広告かと思った笑」
高評価 952
「飛ばせへんタイプの広告入ったかと思った(笑)」
高評価 868
「最近世界情勢がややこしすぎる」
高評価 653
背景
『第四の転換期』は1997年に歴史家ウィリアム・ストラウスとニール・ハウが出した本で、歴史は80〜100年の周期で春・夏・秋・冬を巡るという「世代理論」を説く。冬にあたるのが第四の転換期で、既存の秩序が壊れて新しい秩序が生まれる時期とされる。イン・キュー・テルはCIAが1999年に設けたベンチャーキャピタルで、民間の技術へ出資して情報機関に取り込む役割を担う。ナイアンティックはグーグル社内のプロジェクトから分社した企業で、ポケモンGOやIngressを開発した。動画が引く数字や人物評は、出所が示されないものも多い。理論そのものの面白さと、それを現在の出来事へ当てはめる部分とは、いったん分けて読むと見通しがよくなる。
動画を見る
Naokiman Show
動画の見どころ
行方不明になった元基地司令官の妻が警察へかけた通報の音声が流れる。夫は見つからないつもりで出て行ったのだと思う、車も自転車もガレージにある、と話す内容が紹介される。
2024年以降に12人の研究者が死亡・失踪したとして、ハイキング中に消えたNASAのエンジニアが扱っていたロケット素材の計画を、先に行方不明になった元司令官が統括していたことが結び付けられる。
反重力を研究していた女性が「自殺の報道が出ても絶対に違う」と語る映像の1ヶ月後に銃創で死亡していたこと、生前に未来から来た存在や地下へ逃れる人々について語っていたことが紹介される。
地図会社キーホールがイラク戦争の1ヶ月前にCIAのイン・キュー・テルから出資を受け、数ヶ月後に米軍がイラクで使用。翌年グーグルが買収してグーグルアースとなり、同じチームからナイアンティックが生まれる。
プレイヤーが10年で撮った300億枚の画像でAIを訓練し、GPSなしでセンチメートル精度の位置特定を実現。2025年にゲーム部門を35億ドルで売却しても地図データだけは手元に残した、と説明される。
冬にあたる第四の転換期として1770年代の独立戦争、1860年代の南北戦争、1930〜40年代の大恐慌と第二次大戦が並べられ、そのたびに新しい秩序が立ち上がってきたと整理される。
机が付箋だらけだったという逸話に続き、歴史家の「バノンは危機の理論を政治目的にどう使えるか長く考えていた」という発言が引かれ、危機を機会と捉える読み方とグレイ・チャンピオンの概念が示される。
2001年9月10日の会見で2兆3000億ドルの行方が説明できないとされた件を起点に、政府記録の調査で使途不明の21兆ドルが見つかり、170の地下都市に消えたのではないかという仮説が示される。
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