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パイオニアからMETIへ 宇宙に託した人類の自己紹介と送信リスク

パイオニアに刻んだ「どこ・いつ・誰」
1972年、木星を越えて太陽系外へ向かうパイオニア10号には、異星の知性へ人類の場所、時代、姿を伝えるプレートが載せられた。動画は「どこに、いつ、誰がいるのか」という設計思想を入口に、約1420メガヘルツの水素線を共通単位とし、14個のパルサーで太陽の位置を示す仕掛けを読み解いていく。だが矢印や二進数、二次元の絵が通じる保証はなく、最初の自己紹介から人間側の常識が埋め込まれていたというのが語り手の見立てだ。
1679ビットと黄金のレコード
続くアレシボ・メッセージは、23×73に並べ替えられる1679ビットへDNA、人間、太陽系、望遠鏡を詰め込んだものの、約2万4000光年先のM13から返事が届く最短時期は西暦50370年と試算される。ボイジャーのゴールデンレコードでは、100点超の画像、58言語の挨拶、約90分の音楽へと表現が広がる一方、戦争や残虐さは外され、人類は何を見せ、何を隠すのかが浮かび上がる。
子どもの絵から商業メッセージへ
1983年には『週刊少年ジャンプ』が約5万件の応募から13枚の画像を選び、アルタイルへ送信した。やがてCosmic CallsやTeenage Messageは、数学から生物まで順番に教える入門画像、音楽、子どもの挨拶を組み合わせ、民間企画は名前や広告まで星間空間へ運ぼうとした。動画が並べる試みは科学実験、芸術、記念行事、宣伝の境界をまたぐが、受信者に人工信号だと気づかせる点では、真正METIと疑似METIの線引き自体が主観的だと論じる。
聞き続けるか、こちらから話すか
争点はメッセージの中身だけではない。意図的な送信は、弱く拡散する地球の漏洩電波ではなく、暗い海に立つ灯台のように発見される確率を高める――動画はそう対比し、国際条約や審査委員会を設けても全面禁止の執行は難しいと見る。標的は銀河の数千億個の恒星のごく一部で、実際に届く可能性は極めて低いとしながらも、語り手は最後にMETI賛成論より反対論に説得力を感じると立場を明かしている。
この説をたどる
聞くSETIから送るMETIへ踏み出すとき、最初に現れるのは「何を伝えるか」という創作の面白さだ。だが水素線、二進数、人物像、音楽を重ねるほど、その自己紹介を誰が選び、誰の名で送るのかという問いが迫ってくる。暗い海の向こうに受信者がいるなら、灯台をともす決定は好奇心だけでは終わらない――動画の旅路は、そこへ行き着く。
動画を見る
LEMMiNO
動画の見どころ
パイオニア・プレートが水素線を共通単位とし、14個のパルサーから太陽系の場所と時代を伝える仕組みが解読される
アレシボ・メッセージの1679ビットを23×73へ並べ、人間やDNAを示す二進画像として読む手順が示される
ボイジャーのゴールデンレコードが、画像を音の周波数へ変えて音楽と同じアナログ盤に収めた方法をたどる
1983年、『週刊少年ジャンプ』が約5万件から選んだ13枚の画像と音声を、七夕にちなむアルタイルへ送った経緯が語られる
1977年のWow!シグナルが背景雑音の30倍、水素線に近い狭帯域だった一方、情報を示す変調は確認できなかったと整理される
弱く拡散する漏洩電波と標的を狙うMETIを『海岸の光と灯台』で対比し、SETIパラドックスへの反論を展開する
METIの国際規制は執行が難しく成功確率も極めて低いとしつつ、最後は賛成論より反対論に説得力を感じると結論づける
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